pro-beam電子ビーム溶接機のラインナップ
pro-beamはお客様の製品、生産数に応じた最適な装置を納入します。ここではpro-beam社製電子ビーム溶接機の一例をご紹介します
チャンバーマシン
最も一般的な型式の電子ビーム溶接機です。ワークはチャンバーを大気圧に戻して入替を行います。タクトタイムは長くなりますが、汎用性に富んでいます。
汎用溶接機(K2〜K640)
Kはチャンバーマシーン、続く数字は容量を示しています。例えば、K7は0.7立方メートルの容量を持っています。
汎用溶接機K2
1つのベースフレームにすべての構成部品が組み立てられています。製品例はヨーロッパ版GPS衛星ガリレオのペイロードチャンバー(上)、パッシブ水素メーザー(下)
汎用溶接機K7
K2と同じく1つのマシンフレームにマウントされています。右上は9個までの固定治具、右下は溶接後のインジェクションガイドプレートです。
汎用溶接機K26。
左の写真の装置はスイスで流量計の溶接に使用されています。この溶接機を購入した会社では従来3人のオペレータが交代で作業していましたが、pro-beamの装置を導入してからはシームトラッキング機能によりオペレータの疲労が大幅に軽減され、現在では1人で十分作業をこなしています。
右上はパイプが仮付けされたセンサーヘッド、右下は溶接前に治具状に組み立てられたフローセンサーです。
汎用溶接機K40
写真の装置にはチルティング機能付きの回転テーブルがセットされています。製品例は航空機用ベベルギヤです。
汎用溶接機K110
以前はこのサイズが航空機用電子ビーム溶接機の標準機として用いられていました。製品例はジェットエンジンのケーシングです。
汎用溶接機K640
近年航空機ジェットエンジンの大型化に伴いK640がジェットエンジン用溶接機のスタンダードとなりました。写真の装置はロールスロイス社へ納入したもので、右の写真に示すパーツを全自動で溶接する機能(シームトラッキング、外観検査)を持っています。
小型汎用溶接機
短焦点距離用電子銃を用いた汎用溶接機です。搭載している電子銃は加速電圧60kVで、非常に小さく作られており、電子ビーム溶接機をお手頃な価格で供給できます。
左はcell cube、右はcell1800と呼ばれる装置でスパッタ用ターゲットの溶接などに用いられています。
制御はPLCまたはCNCコントロールで、同時6軸まで制御可能です。このタイプの装置はすべて標準サイズのコンテナに入れることのできる大きさで、コモンベースに搭載されているため据付の手間は掛かりません。また、電力、エアーを供給すればすぐに使うことが可能です。
特殊溶接機
pro-beam社は特殊な用途に対してもプロセス開発、設計製作を行います。
特殊な用途に使用する専用機です。左の写真はドイツ国鉄向けのレールクロッシング用の溶接機で、電磁加熱装置によってワークの予熱/後熱を行います。オンラインシームトラッキングで溶接線を検出しながら両側から同時にレールの溶接を行います。
中央の写真は人工衛星の燃料タンクの溶接用に開発された溶接機です。燃料タンクは非常に細い燃料配管より真空排気/充気を行なわなければならないため、ワークの破壊を防止するため長時間の排気/充気を行うための補助チャンバーを後部に備えています。タンクの圧力コントロールを行っている間には前部の溶接チャンバーで他のワークの溶接を行うことが可能です。
右の写真はフランスに建設される核融合実験炉ITERのD型リングを溶接するために開発された局所真空電子ビーム溶接機です。巨大なパーツを溶接するには製品を移動するより溶接機を移動する方が簡単に行えるため、このような形となりました。板状の製品は溶接部を上下より小さいチャンバーで挟んで排気を行います。電子銃はXYに動くスライダーにマウントされています。
ロードロックシャトルマシーン
pro-beamの電子ビーム溶接機で最も特徴的な機種です。この装置はロードロック室を備えたインターバック式の連続装置です。溶接チャンバーは大気に解放することなくワークの入替ができますので、非常に生産性が高く、また汎用性にも富んでいます。多軸治具をはじめ各種治具を取りそろえています。
ロードロックサイクルマシーン
サイクルマシーンは数多く使用されていますが、pro-beam cells社のサイクルマシーンはインデックスを真空中で行うため見かけ上の排気時間は非常に短く、最短で10秒です。
左は165RT、右は360RTと呼ばれる装置で、それぞれの数字は加工可能なワークの最大径を示しています。PLCまたはCNCでコントロールします。
生産ライン
上と中央の写真は自動車のトランスミッション用ギヤの溶接ラインです。洗浄装置、組立装置、予熱装置、電子ビーム溶接機、冷却装置、検査装置、蒸着膜除去装置などで構成されています。これらの装置は全世界に20セット近く納入されています。
下はロードロック室を2室備えたインライン式の電子ビーム溶接ラインで、自動車のエンジンブロック冷却水路蓋の溶接に用いられています。